アジアへの輸出を成功させるために、海外事業担当者が気をつけておきたいこと
輸出成功への道のりは遠い。時間をかけて万全の準備を!
外国人観光客の増加で、さまざまな日本製品が外国人に売れています。お菓子などの食品、薬に化粧品、日用品や電化製品など、日本製への信頼、品質の高さが人気を支えているのはご存じのとおり。「爆買い」という言葉もすっかり定着しました。日本でこれだけ売れるのだから、「うちの商品を海外でも展開したい!」と考える企業の方も多いでしょう。しかし、市場に出しさえすれば売れるというわけではありません。いくら商品に魅力があっても、海外でものを売るためには、さまざまなハードルを超えなくてはならないのです。
まず、輸出するためには、日本での輸出のライセンスだけでなく、輸出先、つまり、輸入する国のライセンスや許認可の取得も必要です。国によって、また商品によってはこれらの審査が大変厳しく、手続きに1〜2年かかることもあります。なぜ、そんなに厳しく、また、時間がかかるのか。例えば、食品や肌に触れるものについては、自国民の健康を守るためというのも理由のひとつですが、国内企業の利益を守り、国内需要を伸ばすために厳しくしている面もあります。そのような事情から、単純に優れた商品だからといって、スムーズに許可が出るとは限らないのです。
また、現地で商標登録をしておくことも大切です。日本で売れている商品名や日本の地名が、中国などで勝手に商標登録され、本家本元の日本企業が使用できないという事態が起こっています。日本側が異議申し立てを行っても、却下されるケースが多く、解決までに時間を要しているのが実情です。
展示会に出展するだけではダメ! 販路開拓には現地での営業が必須
わずらわしい事務手続きの次に問題になるのは、販路開拓です。現地の一般消費者向けのイベントに参加して、人気を博した商品があったとしても、イベント会場で売れただけで、販路開拓にはなりません。現地の人に人気があるのはどの味なのか、どちらの商品が売れるのかといったマーケティング調査はできますが、販売してくれる業者や店舗を確保しない限り、継続的に売ることはできないのです。
残念ながら、そこに気づかずにイベントに参加して、そのとき売れただけで終わってしまい、輸出まで至らないケースが多々あります。バイヤーの目に留まり、運良く商談に発展するケースがないわけではありませんが、業界関係者向けの展示会と一般消費者向けのイベントを目的に応じて使い分けることが大切です。
では展示会に出展すればいいのかというと、そう話は単純ではありません。展示会で販売業者や代理店と名刺を交換しても、日本のスタッフは帰国するため、そのあとの営業ができません。現地の販売業者が、わざわざ商談をしに日本まで来ることはないので、販路開拓には現地での地道な営業が必須なのです。
日本企業の輸出支援サービスを行っている「TENKAI」では、各国の弊社拠点・パートナーを通して、一貫したサポートが可能です。輸出先となる国の現地調査から許認可取得、展示会のサポートはもちろん、その後の営業代行や販売先の確保も現地で行っています。輸出を成功させたいと考えている経営者の方や海外事業担当者の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。