会社乗っ取りのリスクも!? 現地法人設立の注意事項とは?
本当に現地法人が必要かどうかを考えてみよう
海外進出を狙う企業が増え、「よし、自分の会社も!」と、現地法人の設立を意識している経営者の方も多いでしょう。しかし、ここで立ち止まって考えてほしいのは、現地法人が本当に必要なのかどうか。そして、今が適切なタイミングなのかどうか。やりたいことが、現地法人でなければ達成できない場合はよいのですが、とりあえず現地法人を作って展開したいというだけでは、メリットどころか、業績を悪化させることになりかねません。
企業が海外展開するにあたっては、出張ベースでビジネスを進める、駐在員事務所を作る、あるいは、現地企業とパートナー関係を結ぶ、という方法でできることもあります。現地法人と駐在員事務所の大きな違いは、営利活動が行えるかどうか。国によって異なりますが、駐在員事務所は、情報収集や研究開発、連絡業務、人事管理等を目的とし、営利活動はできないのが一般的です。また、支店も国によっては営利活動ができない場合があります。営利活動が必要で、現地法人のほうがビジネスがしやすいといった理由があれば、設立する意味もあるでしょう。
株主と法律事務所、会計事務所は慎重に選ぶ
現地法人設立のどこにそんな落とし穴があるのかと、驚かれる方もいるでしょう。法人の設立自体は、手続きを踏めばできることなので難しいことではありません。何よりも難しいのは、株主や法律事務所、会計事務所を決めることです。
中国、タイなど多くの国で、現地の資本比率51パーセント以上といった資本規制があり、株主を誰にするのかが問題となります。信用できない相手だと、最悪の場合、会社を乗っ取られることさえあるのです。製造業のように雇用が生まれるなど、国のためになると判断されれば、外資100パーセントが認められる場合もありますが、一般的な中小企業では難しいでしょう。
法律事務所や会計事務所も同様で、よほど信頼できる人の紹介でない限り、契約しないことです。会計士のミスで延滞金や罰金・追徴課税を要求されることもあれば、横領されることもあります。これは映画やドラマの話ではなく、日々、海外で起こっている現実なのです。恐ろしいことに、設立当初から、じつは自分の会社ではなかったという事例もあります。書類の名義確認など、自分の名前くらいは現地語で読めるようにしておきたいものです。
信頼できる相手と組んで、計画から実行までをスムーズに!
ここまで読んで、すっかり、現地での法人設立に興味を失った方もいるかもしれません。しかし、注意深く慎重に、信頼できる相手と組めばリスクは回避できます。弊社には海外にもネットワークがあり、信頼できる会計事務所や法律事務所をご紹介できるのはもちろんのこと、事業の発展段階に応じて、労務管理や人材開発、業務設計、物流からコンピュータシステムに至るまで、総合的なサポートが可能です。これは、業務とITのコンサルティング会社だからこそできることと自負しています。現地法人設立にご興味のある企業の方は、ぜひ、一度ご相談ください。