食品の輸出に立ちはだかる3つの壁
「許認可」「賞味期限」「物流」をどうクリアする!?
日本の産品および文化を輸出する政府戦略の一環として、酒類なども輸出促進に向けた取り組みが始まっています。これは、2020年東京五輪・パラリンピック開催も見据え、政府関係機関や業界全体で、さらなる輸出拡大を図ろうというもの。情報発信やイベント開催、外国人観光客向けの酒蔵ツアーなど、さまざまな取り組みが行われようとしています。
しかし、自社の商品もこの波に乗って海外に輸出したいと思う一方で、「具体的に何から手をつければよいのかわからない」という方がほとんどでしょう。酒類も含め、食品の輸出については以下の大きな壁が3つあります。
1 許認可
2 賞味期限、消費期限
3 物流
次に、それぞれの「壁」について説明していきましょう。
許認可申請と輸送には、コストと時間がかかる
「許認可」については、以前も本コラムで説明しましたが、食品や飲料は国民の健康を守るために基準が大変厳しい国もあります。許認可取得に半年かかる場合もあり、1品目につき、数万円から数十万円の申請料がかかります。同じ商品でも、内容量が違うだけで1品目とカウントされることも多いので、複数の商品を輸出したい場合はさらに費用が嵩みます。許認可取得に費用を捻出できない場合は、まずは、越境EC(日本から現地向けのインターネット販売)での海外展開を検討するといいでしょう。
次に2の「賞味期限、消費期限」、食品を輸出する場合、最低90日、できれば180日以上の賞味期限(あるいは消費期限)が必要です。これは、3の「物流」に関係してくるのですが、輸送に時間がかかるためです。アジアの国々まで船便で2週間から1か月、そこからさらに現地での移動がありますので、運ぶだけでも1か月はかかります。販売できる期間が短いのは不利ですから、賞味期限の長い商品が求められるのです。賞味期限が短い商品の場合は、航空便で送って採算が合うものでないと厳しいでしょう。また、賞味期限に問題がない場合でも、段ボール箱数箱といった少量では輸送費が高くついてしまいます。
秘策は「ブーム」をつくり「高級品」に仕立てること
しかし、諦める必要はありません。高級品であれば、輸送コストを吸収することができますし、販路を開拓して大量販売ができれば、採算も合うでしょう。「我が社の商品は、高級品ではないし、大量に売れるものでもないので無理だ」と思われるかもしれませんが、日本の品質の高さやおいしさを武器に、ブームに乗せることで、高級品に仕立て上げることは可能です。
例えば、現地の方が買いたくなるような、商品のストーリーをつくって付加価値をつける。販路を開拓し、外食産業や小売店に売り込む。これこそが、企業の海外展開支援サービスを行っている弊社の得意分野です。いま、アジア圏は日本食ブームのまっただ中にありますので、日本の食品を輸出展開するタイミングとして非常にいい時期です。イベントを通じてのリサーチや、許認可申請、現地での売り込みまで一貫した支援ができますので、輸出を検討中の企業の方は、ぜひご相談ください。